探偵初心者ガイド
探偵とは
探偵というと、テレビドラマや映画、アニメなどでよく題材として使われるので、奇跡的な能力で難事件を次々解決・・・というようなイメージを持つ人も多いかもしれません。現実の探偵は、そうしたイメージからは若干離れています。警察のような公的機関ではなく、民間の調査会社であるという点は同じですが、犯罪現場で警察と協力して刑事事件を解決するような事はまず行いません。
むしろ行動調査・素行調査・聞き込みや張り込みなどの地道な調査活動を通して浮気の証拠を押さえたり、ストーカー犯罪やご近所トラブルなどの民事事件の解決、もしくは解決の足がかりを得る手助けを行ったりする事がほとんどです。盗聴・盗撮機器の捜索、発見等を行う探偵社もあります。
さらには結婚調査や家出人捜索等もあります。さらに、企業対企業の取引に先立つ信用調査を行ったり、企業内部の信用調査等を請け負う事もあります。
以前は探偵業には法的な規制がなく、届け出も必要なかったために、悪徳業者も一部存在し、事件解決どころか警察の手を焼かせている状態でした。現在では法律が整備され、探偵業は「依頼を受け、所在・行動の情報を収集する事を目的として聞き込み・備考・張り込みなどにより調査・報告する業務」としての明確な位置づけがなされています。
多くの探偵社が法令順守に努め、業界の健全化が進められています。また、探偵学校などの登場により資格ある人材の育成にも期待がかかっています。
探偵の道具
探偵は調査に必要な道具を携行しています。常に持ち歩いている道具は次のものです。
●レコーダー:調査中に相手との会話を録音したり、状況を録音したりします。テープレコーダーや携帯電話のボイスメモ機能、またはICレコーダーなどを使います。
●懐中電灯:大きなタイプではなく、マグライトのような小型のものです。明かりとしてだけでなく、護身用としても利用します。
●折り畳み傘:雨に降られた時のみならず、護身用にもなります。
●帽子:主にリバーシブルの綿帽子を携行しています。簡単な変装用にもなりますし、チーム行動をしている時にはサインにもなります。
●単眼鏡:張り込み時に遠くを見るために使います。双眼鏡は目立つので使いませんが、手のひらに収まるほどの小型の単眼鏡なら目立つ事がありません。
●現金:五万円ほどの現金を持ち歩くことで、急な出費に対応します。交通費などが主です。カードのように身元が割れやすいものは使いません。
さらに、次のような特殊な道具も使用します。
●ビデオカメラ:ビデオカメラも状況によっていろいろな物を使います。証拠を収集する際には、ピンホールカメラという小型のカメラを使う事があります。非常に小型なので身の回りの道具に取り付ける事ができます。夜間監視用に暗視スコープを使う事もあります。
●盗聴・盗撮機器発見キット:盗聴・盗撮機器が発する電波を拾って発見に役立てます。他の電波を発する機器と間違えないように設計されています。
探偵と警察の違い
よくテレビドラマでは探偵と警察が一堂に会して事件の捜査に当たったりしますが、実際の探偵と警察はどう違うのでしょうか?まず、当然のことながら警察は公的機関であるのに対し、探偵は民間人です。警察と違い、探偵は刑事事件に関与できません。関西地方の警察内部では刑事の事を探偵と呼ぶ事もあるようですが、実際には探偵が警察とつながりがあるわけではありません。
そうなると、探偵の存在価値は何なのか、ということになりますが、探偵の強みは確かにあります。それは、民事事件を扱う事ができるという点です。警察には、「民事不介入の原則」があるため、民事事件は扱う事ができません。ご近所トラブルや嫌がらせ、まだはっきりとした被害が出ていないストーカー行為などを扱うのは難しいのです。
しかし、探偵ならこうした事件を調査し、解決に当たる事ができるのです。民事事件は、最初は小さなトラブルに思えても後々凶悪犯罪に発展しかねないようなものもあります。そうした凶悪犯罪が起こってしまった後でなければ警察は対応できない場合が多いのですが、探偵はそうした犯罪の芽を摘みとるような調査活動を行う事ができるのです。
また、日本の警察は「おとり捜査」を行う事ができません。例えばひったくり犯を押さえるためにわざとひったくられそうなものを持ってひったくり犯の頻出する場所で待ち構え、実際にひったくられたところを現行犯で捕まえる、という事は出来ないのです。しかし、探偵であればこうした手法も取る事ができます。